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住宅購入は人生で最大の買い物です。本記事の内容はあくまで個人の体験に基づくものです。購入判断はご自身の責任で行ってください。
「30歳で都心のマンションを買う」という決断をしたとき、正直半信半疑だった。
元々貧乏で、まともにお金の計算ができるようになったのもここ数年の話だ。そんな私が、8,500万円のローンを組む。親に話したら「え、大丈夫?」と心配された。
結論から言うと、買って後悔していない。ただし、想定外のコストがいくつかあった。
この記事では、購入を決意したきっかけから、物件探し・ローン選択・引渡し後の実態まで、全部包み隠さず書く。
目次
- 購入を決めたきっかけ
- 物件探しの実態:見学30件の軌跡
- 購入価格・頭金・ローン総額の全公開
- 物件選びで重視した5つのポイント
- 住宅ローン選択のプロセス
- 契約から引渡しまでの流れ
- 購入後1年:正直な評価
- まとめ:あなたが買うべきかどうか
購入を決意したきっかけ {#きっかけ}
正直に言うと、最初は「買うつもりはなかった」。
29歳のとき、年収が1,500万を超えた。副業も軌道に乗り始め、毎月の収入は増えていた。でも毎月22万円の家賃が口座から消えていくたびに、なんとなく気持ち悪かった。
「消えていく感覚」という表現は大げさかもしれない。でも、投資信託では毎月の積立が資産として積み上がっていくのに、家賃は積み上がらない。理屈ではわかっているつもりでも、感情的にしっくりこなかった。
転機は、信頼できる先輩から「都心の物件は今後も下がりにくい」という話を聞いたとき。データで確認したら、確かに過去10年の都心3区の不動産価格は右肩上がりだった。
それでも「いまが天井かもしれない」「金利が上がったら終わりじゃないか」という不安はあった。3ヶ月間、毎晩シミュレーションを繰り返した末に出た結論が「買う」だった。
→ 賃貸 vs 購入の比較検討については 賃貸 vs 購入、購入に踏み切った理由 で詳しく書いている。
物件探しの実態:見学30件の軌跡 {#物件探し}
探索期間とリサーチ方法
探索期間は約8ヶ月。最初の3ヶ月はSUUMO・アットホームをひたすら眺めるだけで、実際に動き出したのは残り5ヶ月。
見学した物件は合計31件。
| フェーズ | 件数 | 主な行動 |
|---|---|---|
| ネット調査 | 200件以上 | SUUMOで条件設定、スクショ保存 |
| 内見申込 | 40件 | メール・電話 |
| 実際に見学 | 31件 | 仕事帰り・休日に |
| 2回以上訪問 | 5件 | 真剣に検討 |
| 最終候補 | 2件 | 資金計画まで試算 |
理系の性分なのか、エクセルで全物件を点数化して比較した。評価軸は立地・管理状態・階数・将来の売却可能性・管理費の5項目。これが意外と役立った。
条件の絞り込み
最初に設定した条件は以下。
- エリア: 東京23区内・主要駅徒歩10分以内
- 築年数: 10年以内(できれば5年以内)
- 広さ: 55㎡以上(一人暮らしには十分)
- 予算: 9,000万円以内
- 管理形態: 自主管理ではなく管理会社委託物件
「管理形態にこだわる人は少ない」と言われたけど、修繕積立金の積み立て状況と管理組合の健全性は、将来のコストを左右するので譲れなかった。
見学で気づいたこと
実際に見学を重ねてわかったこと:ネット写真と実物は全然違う。
広角レンズで撮った写真は広く見える。でも実際に立ってみると狭い。逆に、写真は地味でも実際に行ったら日当たりが最高だった物件もあった。
結局、選んだのはネット上での評価が「まあまあ」だった物件。写真より実際の方が断然よかった。
購入価格・頭金・ローン総額の全公開 {#資金計画}
こういう数字を公開している人が少ない。だから書く。
資金計画の全体像
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 9,200万円 |
| 頭金 | 700万円 |
| 諸費用(仲介手数料・登記費用等) | 約450万円 |
| 住宅ローン借入額 | 8,500万円 |
| 返済期間 | 35年 |
| 金利(変動、実行時) | 0.625% |
| 月々の返済額 | 約22.5万円 |
諸費用の450万円は、仲介手数料(物件価格×3%+6万円)・登記費用・ローン手数料・火災保険初年度分・引越し費用などをすべて含む。
買う前に諸費用のことをナメていた。 物件価格の5%前後は必要になると思っておいた方がいい。
頭金を700万円に抑えた理由
銀行の試算では「頭金を多くすれば金利優遇が出る場合もある」と言われた。でも、手元資金を住宅に全突っ込みするのは投資効率が悪い。
住宅ローンの変動金利0.625%に対して、インデックスファンドの期待リターンは4〜6%(過去実績ベース)。計算上は、頭金を増やすより投資に回す方が合理的。ただしこれは金利上昇リスクを取っている前提なので、リスク許容度次第。
→ 詳細は 住宅ローン vs 投資 で書いている。
物件選びで重視した5つのポイント {#選定ポイント}
1. 駅徒歩分数(10分以内が絶対条件)
「徒歩12分」と「徒歩8分」は価格差があまりないことが多いのに、資産価値の差は大きい。不動産鑑定士の方に聞いたら「徒歩10分の壁は実在する」とのこと。迷ったら駅近を取る。
2. 管理費と修繕積立金の水準
管理費が安すぎる物件は逆に怪しい。修繕積立金が積み上がっていない物件は、将来の大規模修繕で一時金が発生するリスクがある。
選んだ物件の管理費は2.5万円/月、修繕積立金は1.8万円/月。都心では平均的か少し高めの水準。でも修繕積立金の積立比率が90%以上だったので安心した。
→ 毎月のコスト詳細は 都心マンションを買って1年。固定費・管理費の全内訳 で公開している。
3. 築年数と大規模修繕の履歴
築10年以内の物件は大規模修繕が未経験のものが多い。どういう修繕が予定されているか、管理組合の議事録を取り寄せて確認した。
4. 将来の売却可能性
「売れる物件かどうか」は最重要。人口動態・再開発計画・周辺の商業施設の充実度を調べた。「このエリアは20年後も需要がある」と確信できる物件だけに絞った。
5. 日当たりと騒音
意外と後から変えられない要素。南向き・中高層階は必須条件にした。道路側の騒音も昼と夜で印象が変わるので、夜に再訪した物件が3件あった。
住宅ローン選択のプロセス {#ローン選択}
ローン選びは3ヶ月かけた。結果として選んだのは住信SBIネット銀行の変動金利。
変動 vs 固定の判断
銀行の担当者は「金利上昇リスクがあるから固定も検討してください」と言った。一方で、投資家目線で見ると、固定金利と変動金利の差分(約1.0〜1.5%)はローン8,500万円だと年間85〜128万円のコスト差になる。
私の判断:変動金利を選択しつつ、金利上昇に備えて繰上返済の原資を投資で増やし続ける。
理屈っぽい言い方をすると「変動金利のリスクを投資リターンでヘッジする」戦略。これが合理的かどうかは金利動向次第なので、正解はない。
→ 住宅ローンの選び方の詳細は 年収2000万でいくら借りた?住宅ローンの選び方と判断基準 を読んでほしい。
→ おすすめ銀行の比較は 住宅ローンおすすめ比較|変動金利最安水準の銀行3選 にまとめた。
団信の選択
団信(団体信用生命保険)は通常の死亡保障に加えて「がん100%保障」付きのプランを選んだ。月額コストは+3,000円程度。30代でがんリスクをカバーするのは保険効率が高いと判断した。
契約から引渡しまでの流れ {#契約フロー}
実際のタイムラインを公開する。
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 2024年9月 | 物件に出会う(内見1回目) |
| 2024年10月 | 内見2回目・買付申込書提出 |
| 2024年10月末 | 売買契約・手付金500万円支払い |
| 2024年11月 | 住宅ローン審査申込(2行へ並行申込) |
| 2024年12月 | ローン本承認・金銭消費貸借契約 |
| 2025年1月 | 残代金決済・引渡し |
手付金は物件価格の5〜10%が相場。私は500万円払った。これは契約後に買主都合でキャンセルすると戻ってこない金額なので、申込み前に本気度を問われる。
並行して2行にローン審査を申込んだ理由
1行だけ審査が通らなかった場合のリスクヘッジ。副業収入が給与ではないため、銀行によっては収入計算の評価が異なる。実際、第一志望のネット銀行で承認が出たのでそちらを選んだが、別の1行も承認は出た。
購入後1年:正直な評価 {#購入後評価}
買ってよかったこと
1. 毎月の「消えていく感覚」がなくなった
家賃22万円が消えていたのが、ローン返済22.5万円に変わった。金額はほぼ同じだが、気持ちが全然違う。「資産になっている」という感覚は、投資信託の積立と似た安心感がある。
2. 生活の自由度が上がった
壁に穴を開けられる。設備を変えられる。賃貸だと気を使っていたことが全部できるようになった。自分の物件だという実感は、思った以上に精神的な余裕をもたらした。
3. 住宅ローン控除がでかい
借入残高の0.7%が所得税から控除される。8,500万円で借りた初年度の控除額は約42万円(年収制限内の控除上限を確認のこと)。これは大きい。
→ 住宅ローン控除の詳細は 住宅ローン控除の節税効果 で解説している。
正直、後悔したこと・想定外だったこと
1. 諸費用の多さ
「物件価格の5%」とは聞いていたが、実際に450万円が出ていくのは痛かった。頭金と合わせると1,150万円が購入直後に消えた。流動性が一時的に大幅低下した。
2. 管理組合の役員が回ってくる
マンション購入後1年で、管理組合の会計担当が回ってきた。想定外の時間コスト。年3〜4回の会議、月1回の書類確認。副業が忙しいときに重なると正直キツい。
3. 固定費が想定より高かった
ローン22.5万円 + 管理費2.5万円 + 修繕積立金1.8万円 + 固定資産税月割り1.7万円 = 合計で月約28.5万円。
賃貸時代の家賃22万円より実質6万円以上高い。もう少しシビアに計算しておけばよかった。
まとめ:あなたが買うべきかどうか {#まとめ}
正直に言う。住宅購入が「正解」かどうかは、結局10年後にしかわからない。
でも、以下の条件が揃っているなら、購入を真剣に検討する価値はある。
- ✅ 年収800万円以上、安定継続の見込みあり
- ✅ 手元現金で頭金+諸費用を出しても余裕がある
- ✅ 同じエリアに5〜10年は住む予定がある
- ✅ 都心・駅近の物件を狙っている(資産価値が下がりにくい)
逆に、以下に当てはまるなら賃貸の方が合理的な可能性が高い。
- ❌ 転職・転勤の可能性が高い
- ❌ 手元資金が頭金で枯渇する
- ❌ 郊外・駅遠エリアを検討している
一番大事なのは「計算だけで決めない」こと。感情とライフプランと数字を全部合わせて初めて、自分の答えが出る。
私は「買う」という答えが出た。今のところ後悔はしていない。
