転職オファー面談で年収を上げた実体験|エンジニアの年収交渉は準備9割

転職

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内定が出た。でも提示年収が思ったより低い。交渉したいけど、何をどう言えばいいかわからない。

この状況、私は転職のたびに経験してきた。最初の転職(Web系570万→大手製造業)では交渉できずにそのまま受諾して後悔した。2回目(大手890万→スタートアップ)では交渉して1250万まで引き上げた。この差は「準備をしたかどうか」だけだ。

この記事では、私が実際に使った交渉の言葉、タイミング、根拠の作り方を具体的に公開する。


私が年収交渉で実際に言ったこと(具体的なセリフを公開)

まず結論から。私がスタートアップのオファー面談で使ったのはこのセリフだ。

「オファーいただきありがとうございます。ぜひ入社したいと思っています。一点だけ確認させてください。現在の年収が890万円で、加えて他社からも1100万円のオファーをいただいています。御社のポジションへの魅力と期待値は非常に高いのですが、年収面で1200万円前後まで調整いただくことは可能でしょうか」

結果、先方からの最終提示は1250万円だった。

ポイントは3つある。

  1. 入社意欲を先に明言する(「ぜひ入社したい」が先)
  2. 具体的な根拠を2つ提示する(現職年収+他社オファー)
  3. 希望額をピンポイントで言う(「もう少し」ではなく「1200万円前後」)

年収交渉できるタイミングはたった一つ:内定通知後・承諾前の5日間

年収交渉は「いつでもできる」と思っていると失敗する。タイミングは事実上1回しかない。

内定通知後〜承諾前のウィンドウだけです。

面接の途中で「年収はどのくらい希望しますか」と聞かれることがあるが、あれは交渉ではなく情報収集だ。ここで高い数字を言いすぎると選考落ちのリスクがあり、低い数字を言うと後で損をする。

面接中の年収希望額の答え方は「現職と同等以上でご検討いただければと思います」が無難。交渉は内定が出てからやる。

内定通知のメールや電話が来たら、その場では「ありがとうございます。詳細を確認させてください」と言って、1〜3日で回答するのが適切だ。承諾するまでの間に交渉する。承諾した後では交渉は基本的にできない。


交渉が通る「根拠の型」:現職実績・市場相場・他社オファーの3点セット

「もっと払ってほしい」は通らない。「なぜその金額が妥当か」を示す根拠が必要だ。

交渉が通る根拠には3つの柱がある。

根拠の種類 内容 説得力
現職年収 「現職での年収はXXX万円です」
市場相場 「同程度のスキルセットで市場相場はXXX万円です」
他社オファー 「他社からXXX万円のオファーをいただいています」 高(最強)

最も強い根拠は他社オファーだ。 これは客観的な数字であり、「ほかが評価している」という証明になる。だから、転職活動は複数社並行で進めるべきなのだ。1社だけで動いていると交渉の根拠がなくなる。

私の場合、スタートアップへの転職時は意図的に3社同時に選考を進め、他社オファーをレバレッジとして使った。これは損得計算の結果であり、当然の戦略だ。

現職年収と市場相場だけでも交渉はできるが、「他社オファー」が手元にあると圧倒的に有利になる。


エージェント経由と直接応募で交渉の進め方がここまで違う

転職エージェントを使っているか、直接応募かで、交渉の進め方が変わる。

エージェント経由の場合

エージェントが間に入って交渉してくれる。この場合、候補者が直接「もっとください」と言わなくて済む。JACリクルートメントを使ったときは、エージェントが「候補者の現職年収と市場価値を考慮すると、初年度1200万円は最低ラインではないかと先方に伝えた」と教えてくれた。候補者が直接言うより、エージェント経由の方が企業も受け入れやすい側面がある。

ただし、エージェントには一つ注意が必要だ。エージェントの報酬は年収の約30〜35%が相場なので、年収が高い方がエージェントの報酬も増える。つまり原理的には年収アップを支援する動機がある。ただし、交渉しすぎてオファーを取り消されると元も子もないので、エージェントも無茶はしない。

直接応募の場合

すべて自分でやることになる。私のLinkedIn経由のケースがこれだ。この場合は、根拠の提示がより重要になる。「なぜその金額なのか」を数字で示さないと、単なるわがままに聞こえてしまう。


NGワードと言い換え表現:「もっと欲しい」は絶対言ってはいけない理由

年収交渉で言ってはいけない言葉がある。

NGワード 理由 言い換え
「もっと欲しいです」 根拠ゼロ。子どもの要求と同じ 「市場相場と現職年収をもとに○○万円を希望しています」
「生活費がかかるので」 企業には関係ない話 「現職での評価と年収水準が○○万円です」
「最低でも○○万円」 交渉の余地がなくなる 「○○万円前後でご検討いただけると幸いです」
「前の会社では○○もらってた」 前職自慢に聞こえる 「現職の年収が○○万円で、転職に際して同水準以上を希望しています」
「ダメなら断ります」 脅しになる、空気が悪くなる 「他社からもオファーをいただいており、慎重に検討しています」

交渉は「お願い」ではなく「情報の提示」だ。感情や個人的な事情を持ち込まず、数字と事実だけで話す。理系的なアプローチが実はいちばん通りやすい。


スタートアップと大手で交渉の上限はここまで違う

一点、現実として理解しておくべきことがある。交渉の上限は企業のタイプによって変わる。

企業タイプ 交渉の余地 上限の目安
大手・日系企業 小さい(給与テーブル制約) 提示額の5〜10%が限界
外資系企業 大きい(個人交渉文化) 提示額の15〜30%も交渉可能なことがある
スタートアップ ケースバイケース 経営陣次第で柔軟

大手の日系企業では「給与テーブル」という制度があり、同じグレードの社員より高い年収を出すことが制度上できないことがある。交渉しても「制度上これが上限です」と言われるケースがある。

スタートアップは逆で、経営者一人が決められる場合が多いので、交渉が通りやすい。私のケースでもCTOと直接話して決まった。


まとめ:交渉しない損は平均400万円(30年換算)

年収交渉をしなかった場合の損失を計算したことがある。

たとえば、交渉して年収が50万円アップしたとする。それが30年続くと1500万円の差だ。年収交渉1回で1500万円変わる可能性がある。

一方で交渉をしない人は「なんとなく気まずい」「失礼かもしれない」という理由で何も言わない。これは単純にもったいない。

交渉は失礼じゃない。企業側も「交渉なしに全員が承諾する」とは思っていない。むしろ「自分の市場価値を理解して主張できる人間」という印象になることもある。

交渉の準備として最低限やること:

  1. 複数社並行で選考を進めて、他社オファーを手に入れる
  2. 自分のスキルセットの市場相場を調べる(転職サイトの年収診断、エージェントへの相談)
  3. 希望金額と根拠をセットで用意する

転職の最終判断、年収交渉の可否はご自身の状況をふまえてご判断ください。

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