※本記事にはプロモーションが含まれます。投資にはリスクが伴います。本記事の試算はあくまで参考値です。
「FIREしたい」と思い始めたのは26歳のころだった。当時の手取りは月25万円ほど。ボーナスを加えても年収400万円台。東京で暮らして、家賃を払って、多少遊んで……それだけで消えていく。貯金が増えない焦りと、「このまま40年働き続けるのか?」という漠然とした怖さが常にあった。
あれから約7年。転職を2回繰り返し、副業を本格化させ、今は本業年収1350万円・副業700万円の合計2050万円まで来た。資産は3000万円を超え、毎月70万円を積み立てている。
でも、まだFIREはしていない。
今この記事を書いているのは「計画の真っ最中」だからだ。達成した人間の武勇伝ではなく、本気で目標を定めて走っている人間のリアルなロードマップを共有したい。
この記事では、私の現在地を数字で公開したうえで、FIREに必要な資産計算・FIRE種類の選び方・積立シミュレーション・東京での生活コスト・FIRE後のリスク設計まで、一気通貫でまとめる。ピラーページとして各テーマの詳細記事へのリンクも貼っているので、気になる項目は深掘りしてほしい。
1. 私のFIRE計画:資産3000万超・月70万積立・東京勤務エンジニアの現在地
まず数字を全部並べる。武勇伝ではなく、ベースラインとして。
| 項目 | 現状 |
|---|---|
| 年齢 | 30代前半 |
| 本業 | 東京スタートアップ・ソフトウェアエンジニア |
| 本業年収 | 1,350万円 |
| 副業収入 | 約700万円 |
| 総収入 | 約2,050万円 |
| 総資産 | 3,000万円超 |
| 内訳(現金) | 約450万円 |
| 内訳(インデックスファンド) | 約2,700万円 |
| 内訳(純金) | 約200万円 |
| 内訳(個別株等) | 約100万円 |
| 毎月の積立額 | 70万円 |
| 住まい | 都心マンション購入済み(住宅ローンあり) |
資産3000万円というのは、世間的には「そこそこ持っている」ように見えるかもしれないが、東京でFIREを目指すには全然足りない。その話を次のセクションで掘り下げる。
転職歴は2回。最初はWeb系企業で年収570万円、次に大手製造業に移って890万円、現在のスタートアップで1250万円スタートから徐々に上がって今1350万円。収入が上がった分を全部生活費に回さず、ひたすら積立に突っ込んできた。脳筋なやり方だが、これが一番確実だと信じている。
2. FIREに必要な資産額の計算方法(4%ルールと日本版修正)
FIREの世界で最もよく使われる計算式が「4%ルール」だ。
年間生活費 × 25倍 = FIRE必要資産額
たとえば月25万円で暮らすなら、年間300万円。300万円 × 25 = 7,500万円。この資産を運用しながら年4%ずつ取り崩せば、理論上は資産が減らないというものだ。
ただし、これはアメリカの研究(トリニティスタディ)をベースにしている。日本に適用するには修正が必要になる。
日本版で考慮すべき3つの問題点:
- 税金(20.315%): 投資信託を売却すると売却益に税金がかかる。年4%引き出すつもりでも、税引き後は実質3.2%程度になる
- インフレ率: 日本は長年デフレだったが、2024〜2025年にかけてインフレが加速。年2%インフレを想定すると購買力が毎年削られる
- 国民健康保険・社会保険料: 会社員を辞めると国保に切り替わる。資産家扱いされると保険料が高額になるケースもある
このため私は3.5%ルール(必要資産 = 年間支出 ÷ 0.035 = 年間支出 × 約28.6倍)で計算しているが、詳細な計算式と比較表は専用記事で解説している。
→ 詳細は「FIREに必要な資産はいくら?4%ルールを日本の税制・インフレで修正した計算式」へ
3. 完全FIRE・サイドFIRE・セミリタイア、どれを選ぶかで計画が全然変わる
FIREと一口に言っても、実は複数の種類がある。どれを目指すかで、必要な資産額も、辞めるタイミングも、リスク設計も全部変わってくる。
私が結論として選んでいるのはサイドFIREだ。
完全FIREを目指すと、東京在住で月25万円生活費を想定した場合、必要資産は7,500万〜1億円クラスになる。今から積み立てを続ければいつかは到達するが、時間がかかる。一方でサイドFIREなら、副業・フリーランス収入で生活費の一部をカバーしながら資産を取り崩す設計にできるため、必要資産を大幅に減らせる。
エンジニアという職種は、フリーランス・副業への移行が他の職種より圧倒的にやりやすい。技術さえ磨き続ければ、週2〜3日稼働で月50〜100万円は稼げる環境が今はある。それを前提にした計画を立てれば、FIRE時期を数年早めることができる。
→ 詳細な比較と各タイプの必要資産・リスク比較は「完全FIRE・サイドFIRE・セミリタイア、自分が選ぶとしたらどれか」へ
4. 月70万積立でいつFIREできるか:年利別シミュレーション
現在地から試算してみる。
- 現在資産:3,000万円
- 毎月積立:70万円
- FIRE目標額:7,500万円(月25万円生活費ベース、3.5%ルール)
- 年利:3% / 5% / 7% の3パターン
| 年利 | FIRE到達時期の目安 | 到達資産額 |
|---|---|---|
| 年利3% | 約5〜6年後 | 約7,600万円 |
| 年利5% | 約4〜5年後 | 約7,700万円 |
| 年利7% | 約3〜4年後 | 約7,600万円 |
月70万円という積立額は、多くの人から見れば「異常」な数字だと思う。でも年収2000万円で、住宅ローンを除く固定費を可能な限り削り、生活水準を意識的にコントロールすれば、到達できる数字だ。
ただし、この試算には「積立を続けられる」という前提が入っている。本業の収入が下がったとき、病気や怪我でキャリアが止まったとき、計画は簡単に崩れる。だから脳筋的に「とにかく積み立て続ける」だけでなく、出口設計・リスク対策も同時に組んでいる。
→ より詳細なシミュレーション計算と複数シナリオの比較は「月70万円積立を続けたら何年でFIREできる?資産3000万スタートのシミュレーション全公開」へ
→ 実際の積立運用実績は「インデックスファンド月70万積立の実績公開」を参照
5. 東京でFIREを目指す上で考えるべき生活コスト問題(都心の特殊事情)
東京でFIREを計画するときに、地方と比べて特有の問題がある。
住居費
私はマンションを購入しているため、住宅ローンが月々の固定費に入っている。これがFIRE後の生活設計を複雑にする。FIRE後に収入が大幅に下がった場合でも、ローン返済は続く。
一方で「家賃リスク」はない。賃貸のまま東京でFIREを目指すと、家賃が月15〜20万円規模になることもある。月25万円の生活費という前提自体が崩れかねない。
医療費・保険料
会社員を辞めると社会保険が終わり、国民健康保険に切り替わる。資産3000万円以上を持ちながらFIREした場合、前年の収入に応じて保険料が計算されるため、退職翌年は保険料が高額になる可能性がある。東京都の場合、国保の上限は年間で約104万円(2024年度)。これを月割りすると約8.7万円。生活費の試算に必ず組み込む必要がある。
食費・交通費・エンターテインメント
東京の物価は地方より平均10〜30%高い。食費・交通費・外食費が積み重なると、月25万円という設定でも意外と余裕が少なくなる。FIREを機に地方移住する選択肢もあるが、私はいまのところ東京に住み続けるつもりなので、コスト高を前提として試算している。
私の東京でのFIRE後の月間生活費試算:
| 項目 | 月額試算 |
|---|---|
| 住宅ローン返済 | 約10万円 |
| 食費(自炊中心) | 約4万円 |
| 交通費・通信費 | 約1.5万円 |
| 医療費・保険料(国保) | 約8.7万円 |
| 娯楽・旅行・交際費 | 約3万円 |
| 雑費・予備費 | 約2万円 |
| 合計 | 約29万円 |
月29万円を基準にすると、必要資産の計算がやや変わってくる。
→ 東京での生活費の実態については「年収2000万のリアルな生活費」も参考になる
6. FIRE後のリスク:インフレ・医療費・社会保険料・社会的孤立に備える設計
FIRE計画を立てるとき、多くの人が「到達すること」だけを考えて「到達後」を甘く見る。私自身も最初そうだった。
インフレリスク
年2%のインフレが30年続くと、購買力は約55%に低下する。月25万円の生活費が実質的に月45万円相当の負担に膨らむ計算だ。資産取り崩し計画を立てるときに、インフレ調整をどう組み込むかは必須の論点になる。
対策として私は資産の一部に純金(約200万円)を組み込んでいる。金はインフレヘッジとして機能しやすい資産だ。
医療費リスク
30代のうちは感じにくいが、40代・50代になると医療費負担は跳ね上がる可能性がある。FIRE後に大病を患った場合の医療費を、生活費試算に織り込んでいる人は少ない。高額療養費制度があるとはいえ、限度額を超える負担や、収入ゼロ状態でのキャッシュフローへの影響は無視できない。
社会的孤立リスク
これは数字では測れないが、FIRE後に「仕事をしていない」という状態が意外とメンタルに効く。人間関係の多くが職場経由で構築されている現代において、会社から離れた後の人とのつながりをどう維持するかは、資産計画と同じくらい重要なテーマだ。
私がサイドFIREを選んでいる理由の一つは、完全に仕事を切ってしまわずに社会との接続を残したいからでもある。週に2〜3日、自分が好きな技術系の仕事をフリーランスでやりながら、好きな時間に好きな場所で過ごす。それが現時点での理想に近い。
収入ゼロシナリオの安全マージン
FIRE計画では「想定より運用利回りが低かった場合」「想定外の大出費が発生した場合」を考慮した安全マージンを設けている。具体的には、FIRE目標額を「月25万円生活費ベースの必要資産」より10〜20%高く設定して、バッファを持たせる方針だ。
7. まとめ:FIREは「逃げ」じゃない、人生の設計図を意識的に描く行為
FIREを目指していると言うと、たまに「仕事が嫌なんですか?」と聞かれる。
そうじゃない。今の仕事は好きだし、エンジニアリングは面白いと思っている。ただ、「この仕事を続けるかどうかを選べる状態」に早くなりたい。それだけだ。
FIREは「逃げること」ではなく「選べる状態を作ること」だと私は思っている。資産が積み上がって、生活費を稼ぐために働く必要がなくなったとき、初めて「本当にやりたい仕事だけをやる」という選択肢が現実になる。
今私がやっていることは、その選択肢を数年後に手に入れるための、地道な積み上げだ。月70万円を積み立て、複利を回し、支出をコントロールして、計画を毎月見直す。器用なやり方じゃないし、ドラマチックでもない。でも、これが一番確実だと思っている。
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最終更新:2026年4月27日

