保険料を20年・30年投資に回したシミュレーション全公開|保険不要論の計算根拠

保険

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結論: 月3万円の保険料を年利5%で30年運用すると、約2,496万円になる。この数字を見てから保険の要否を判断してほしい。

保険を解約する前に、私は必ず計算した。「保険を続ける費用」と「投資に回した場合の将来価値」を比較するためだ。感情ではなく数字で決めるためのシミュレーションを、この記事で公開する。

免責事項: 本記事は保険の解約を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、過去の実績は将来を保証しません。保険の要否は個人の状況によって異なります。本記事はあくまで計算の参考資料です。


私が解約前に計算した「保険料を投資に回した場合のシミュレーション」

保険を解約しようと思ったきっかけは、4年間で払った保険料を計算したことだった。

当時の月額保険料は合計で約2万8千円(生命保険+医療保険)。4年間の総支払額は約135万円。受け取った保険金はゼロ。

「この135万円が全部インデックスファンドに入っていたら」と考えたとき、答えを出したくなった。

エクセルで計算してみた。年利5%、135万円の一括投資で20年後は約358万円になる計算だ。さらに毎月積み立て続けた場合の複利効果は、単純な足し算とはまったく違う大きさになる。

以下に、月1万円・月3万円のパターン別で詳細なシミュレーション結果をまとめた。


前提条件の設定:月1万円・月3万円の保険料・年利4〜7%・20年・30年のパターン

シミュレーションの前提条件を明示する。

設定項目内容
投資額月1万円 / 月3万円の2パターン
年利4% / 5% / 7%の3パターン
期間20年 / 30年の2パターン
複利計算月次複利(毎月末に積立・運用)
税金新NISA活用のため非課税を想定(NISA枠内)
インフレ考慮しない(名目ベース)

年利の根拠:

  • 4%: 保守的な想定(円建て分散投資)
  • 5%: 標準的な想定(S&P500の実質リターンに近い)
  • 7%: やや楽観的(S&P500の名目長期平均)

新NISAを活用すれば運用益が非課税になるため、この計算はNISA枠内での積立を前提にしている。NISAを使わない場合は利益の20.315%が税金として引かれるため、実質の手残りは計算値より少なくなる。


3. シミュレーション結果:保険継続 vs インデックス投資の資産差額一覧表

パターンA:月1万円を積み立てた場合

年利期間積立元本運用後の資産保険料総額
4%20年240万円約367万円240万円(機会損失:127万円)
5%20年240万円約412万円240万円(機会損失:172万円)
7%20年240万円約525万円240万円(機会損失:285万円)
4%30年360万円約694万円360万円(機会損失:334万円)
5%30年360万円約832万円360万円(機会損失:472万円)
7%30年360万円約1,218万円360万円(機会損失:858万円)

パターンB:月3万円を積み立てた場合

年利期間積立元本運用後の資産保険料総額
4%20年720万円約1,101万円720万円(機会損失:381万円)
5%20年720万円約1,237万円720万円(機会損失:517万円)
7%20年720万円約1,575万円720万円(機会損失:855万円)
4%30年1,080万円約2,082万円1,080万円(機会損失:1,002万円)
5%30年1,080万円約2,496万円1,080万円(機会損失:1,416万円)
7%30年1,080万円約3,654万円1,080万円(機会損失:2,574万円)

機会損失 = 運用後の資産 − 積立元本(=保険会社に払った総額との比較)

月3万円・年利5%・30年の場合、保険に払い続けることで失う機会損失は約1,416万円だ。さらに楽観シナリオ(年利7%)では2,574万円になる。

この数字が「保険は資産形成の観点から見ると割に合わない」という主張の根拠だ。


「いや、保険はいざという時のため」論への反論:高額療養費で守れる範囲

「でも病気になったとき、保険がなかったら困る」という反論は必ず出る。その点について正直に答える。

日本の公的保険(健康保険)には高額療養費制度があり、1ヶ月の医療費の自己負担には上限が設定されている。標準的な収入(区分ウ・月収28万〜50万円)の場合、月の上限は概ね8〜9万円程度だ。

10日間の入院(医療費合計100万円)を想定した場合:

対応手段費用
高額療養費後の自己負担(区分ウ想定)約9万円
差額ベッド代(4人部屋・0円と仮定)0円
食事代(10日分)約14,000円
合計の実負担約10万円強

10万円程度なら、月3万円の保険料を数年積み立てた資産(約108万円/3年分)で十分カバーできる。

「でも長期の大病は?」という疑問には、高額療養費改正の解説記事で詳しく答えている。要点は「緊急予備費が300万円以上あれば長期入院もカバーできる」ということだ。


保険料が「高い」かどうかを判断する3つの基準

保険料の金額を見ただけでは「高い」「安い」は判断できない。判断基準を3つ提示する。

基準1: 保険料 vs 期待値

保険の期待値は「支払総額 × 給付確率 = 期待給付額」で計算できる。シンプルに言うと、保険会社は「給付額の期待値 < 保険料収入」になるよう設計しているため、長期的に見ると保険は必ず「損」をする商品だ(そうでないと保険会社が潰れる)。

「損」を承知で買う合理的な理由は「リスクを回避したい(=不安を和らげたい)」という心理的価値だけだ。

基準2: 保険料 vs 緊急予備費

自己負担をカバーできる現金があるなら、保険は不要だ。緊急予備費が高額療養費の自己負担上限×12ヶ月分以上あるなら、医療保険は基本的に不要と考えていい。

具体的には:月の上限8万円×12ヶ月=96万円。100万円の緊急予備費があれば1年分の医療費をカバーできる計算だ。

基準3: 保険料 vs 機会損失

上記シミュレーションで示した通り、月3万円の保険料を30年間払い続けた場合の機会損失は年利5%で1,416万円に達する。

この機会損失が「保険の安心料として払う価値があるか?」という問いが本質だ。自分なりの答えを出してほしい。


保険を解約する前に確認すべき3つのチェックリスト

「保険を解約したい」と思ったとき、私が実際に確認したことを3つにまとめる。

チェック1: 緊急予備費は確保できているか?

目安: 月の医療費自己負担上限×12ヶ月分以上の現金

自分の年収区分で高額療養費の月の上限をまず計算する。2026年8月改正後の数字は改正解説記事を参照。その金額×12ヶ月分の現金を手元に残せるなら、解約を検討していい。

私の場合:区分ア(改正後)の月上限×12ヶ月 ≒ 数百万円。現金450万円を手元に確保しているため、計算が成立する。

チェック2: 傷病手当金の仕組みを理解しているか?

会社員であれば、病気・ケガで働けない期間に傷病手当金が支給される。支給額は標準報酬日額の2/3、最大18ヶ月。

これが医療保険の「入院日額給付」の代替機能を果たす。傷病手当金の上限期間(18ヶ月)を超えた場合に備えて自己資産を積み上げることが大事だ。

チェック3: 被扶養者がいないか確認する

妻・子供・親への仕送りなど、自分の死亡や就業不能で困る人がいる場合は、死亡保障・就業不能保険を一定額残すことを検討する。

独身・被扶養者なしであれば、死亡保障の必要性はほぼゼロだ。団信で住宅ローンの残債がゼロになれば十分。


まとめ:保険は「安心料」。でも安心料の相場を知ってから払え

保険を否定したいわけじゃない。

「みんなが入っているから」「なんとなく不安だから」で払い続けることに異議がある。

月3万円・30年の機会損失は約2,500万円(年利5%ベース)だ。これを「安心料」と呼ぶのは自由だが、その安心料の相場を知らないまま払うのはもったいない。

計算してから決める手順を繰り返す:

  1. 自分が払っている保険料の月額を確認する
  2. 上記シミュレーション表に当てはめて20年後・30年後の機会損失を計算する
  3. 緊急予備費で自己負担をカバーできるか計算する(高額療養費記事参照)
  4. 団信で死亡保障が代替できるか確認する(団信記事参照)
  5. 被扶養者の有無を確認する

この5ステップを経て「それでも保険が必要」という結論なら、それは合理的な判断だ。数字で納得した上での「払う」という選択は、なんとなくで払い続けることとまったく意味が違う。

保険は感情で売られているが、買うかどうかは数字で判断する。その手順を踏んでほしい。

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注意: 本記事のシミュレーションは一定の前提条件に基づく概算です。実際の運用成果は市場環境によって大きく異なります。投資にはリスクが伴います。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。本記事は保険の解約を推奨するものではなく、数字で考えるための参考情報の提供が目的です。

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