「転職したら人生変わるのか?」
これは、20代半ばの私がずっと考えていた疑問でした。
30歳になった今、私は年収2000万円を超え、転職をしていなかったままの人生からは想像できない景色を見ることができています。
しかし、その過程は一筋縄ではありませんでした。
転職を通じて得たものもあれば、失ったものもあります。後悔したこと、もっと早く知っておけばよかったこと。
この記事では、私が2回の転職を経て実感した「転職のメリットとデメリット」「キャリアプランにおける転職の意味」について、実際の私の経験をもとにお話しします。
私のキャリアの概要と転職経緯
新卒:大手Web企業のソフトウェアエンジニア
新卒で入社したのは、誰もが知る大手Web企業。
技術的な学びも多く、福利厚生も手厚い、同世代に比べても非常に恵まれた環境でした。けれども、年収は在籍3年目で580万円程度と、業界内では平均的。悪くはありませんが夢のある数字ではありませんでした。
「このままでいいのか?」と日々感じながらも、3年間勤務しました。
1回目の転職:大手自動車メーカーへ(年収580万 → 890万)
転職エージェント経由で、大手自動車メーカーへ転職。
異なる業界のソフトウェア開発に携われるポジションで、大手ならではの資本力、規模の大きなプロジェクトに関わるチャンスがありました。
年収は一気に約300万円アップ。
この経験で「転職で年収を上げる」という発想が、現実味を持つようになりました。
2回目の転職:スタートアップへ(年収890万 → 1250万)
LinkedIn経由で入手した企業情報をもとに再度転職活動を実施し、スタートアップに入社。
裁量が過去在籍していた大手企業に比べて非常に大きく、技術選定から組織作りまで関われたことは非常に貴重な経験でした。
ただし、ここが転職における「後悔」も最も大きかった部分でもあります。詳細は後述します。
【実体験から語る】転職のメリットとデメリット
ここからは、転職を2回経験した私の実体験に基づき、転職のメリットとデメリットについてお話しします。
転職のメリット:行動すれば年収もキャリアも変わる
1. 年収が大幅にアップする
私は2回の転職で、年収を580万 → 1250万へと2倍以上に引き上げました。
転職市場では「今の自分の市場価値」が明確に突きつけられます。逆に言えば、自社での評価が低くても、他社では高く評価されることがあるということ。
これは、エンジニア職のようにスキルが比較的可視化しやすい職種では、特に顕著だと感じています。
こちらの記事では、転職で年収を引き上げるコツについて実体験をもとに詳しく説明しています。合わせてご覧ください
2. 今の職場以外で人間関係を構築できる
いまあなたが在籍している企業や部署、チームの世界から新天地へと飛び立つことで、これまでの人間関係に加えて新しい人脈を築き上げることができます。
逆に、これまでの人間関係を一度リセットすることになるため、会社の文化や人間関係が合わずにパフォーマンスが低下していた場合は、悪い流れを断ち切り心機一転自分の実力を発揮できるよう業務に集中することができるチャンスとなるのです。
転職は新しい人間関係をゼロベースで構築する良い機会。新しい職場でもパフォーマンスが出せるよう頑張りましょう。
3. キャリアの方向性を自分で選び直せる
キャリアに悩みはつきものです。
- 技術を深めたいのか
- マネジメントに進みたいのか
- Web系の開発を常に続けていきたいのか
- AIを使ったサービスを新しく生み出したいのか
このブログを読んでいるあなたも毎日悩み、考えていることでしょう。
転職では、自分のキャリアビジョンを見つめなおし、適した業界、企業、ポジションに軌道修正することが可能です。
私も、スタートアップへの転職を通し、これまで考えていたエンジニアとしてのキャリアではなく、マネジメントの適正があることに気付くことができました。
転職のデメリット:見落としがちな落とし穴
これまでお話ししたように転職には様々なメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
1. スタートアップ転職の落とし穴
スタートアップは「自由」や「裁量」がある反面、体制が整っていないことも多いです。
私自身も、ジョイン直後から複数の開発案件を並行して任せられることがあり、担当領域が大きく変わりました。
成果に対する評価軸が曖昧だったり、給与交渉が一方的になったりすることも。
特に大企業に勤務していた方のように、組織として成熟した環境に慣れてしまっている方がスタートアップに転職した際に後悔することは多くありません。
「スタートアップ 転職 後悔」という声が一定数あるのも理解できます。
2. 転職後すぐに成果を求められるプレッシャー
新卒入社とは異なり中途採用は即戦力として期待された状態で採用されます。そのため転職後・入社後は「短期間で成果を出すこと」が求められます。
30代になると、「育成枠」ではなく「成果責任者」として見られるため、入社後のストレスは想像以上に大きいこともあります。
どの企業でも入社3ヶ月は使用期間という扱いになるため、入社直後から3ヶ月は気が抜けずストレスフルな時期となるでしょう。
逆に言えばその期間で期待を超える大きな成果を出すことができれば周りのメンバーからも一目置かれ、新しい環境でもよいパフォーマンスで仕事をしていくことができるでしょう。
そのためには自分のスキルや強みにマッチした企業・ポジションへの転職が重要です。転職後成果を出せるかどうかは、転職の準備にかかっているのです。
3. 社会保険や住宅ローン審査などで不利になるケースも
意外と見落とされがちですが、転職のタイミングによっては社会保険が不安定になる、住宅ローン審査が通りにくくなるといった問題も。
特に転職後、在籍期間が一年未満の場合は住宅ローン審査がより厳しくなるため、住宅購入を検討している方は要注意です。
私は住宅を購入するタイミングが転職してギリギリ1年後となったため住宅ローン審査に影響は出ませんでしたが、転職の時期と住宅購入の時期が重なってしまう場合は融資担当から慎重な目で見られたり、最悪の場合は審査に通らないといったこともあるでしょう。
キャリアプランにおける「転職」の意味
私が2回の転職を経験し、そして30歳になって強く感じるのは、キャリアプランを「会社任せ」にするのは大変危険だということです。
企業の視点では、あなたは事業計画を達成するための手段にすぎず、それまでの社内経験を踏まえた業務を割り振ってきます。気がつけば、その企業内でしか通用しないスキルしかなく、自分の市場価値はガタ落ちに…といったこともありえます。
転職は、自分のキャリアを「自分の手に取り戻す」ための重要な選択肢です。
ただし、短期的な年収アップだけにとらわれてしまうと、長期的に後悔する可能性もあります。
例えば、2回目の転職では確かに年収は上がりましたが、「中長期的なスキル形成」や「働きやすさ」という点では疑問が残る部分もありました。
これから転職を考える人へのアドバイス
情報収集はエージェント×LinkedInのハイブリッドで
エージェントは非公開求人や企業内部の情報、転職の対策に強く、LinkedInはダイレクトに企業から声がかかることもあります。
私は両方を併用し、自分から企業HPからも応募するスタイルで幅を広げました。
特にハイクラス転職を目指すなら、転職エージェントとLinkedIn両方の活用は必須です。
自分の「譲れない軸」を見つける
給与、勤務地、裁量、事業内容、働き方、将来性…
全てを満たす企業は存在しません。何を重視するのかを言語化しておくことが、後悔しない転職の鍵、そして後悔しないキャリアの鍵となります。
この記事を読んでいるあなたは、きっと転職を考えていて後悔のない転職をしたいはずです。今一度、自分が一体何を仕事に求めているのか、この機会にしっかりと言語化してみませんか?
まとめ:転職は「人生のレバレッジ」になる。ただし、使い方を間違えると後悔する
30歳になって振り返ると、過去2回の転職は間違いなく自分の人生を変えた大きな分岐点でした。
ただし、すべてが順風満帆だったわけではなく、「もっとこうすればよかった」という後悔も少なからずあります。
だからこそ、この記事を読んでくれたあなたには、転職のメリットとデメリットを正しく理解したうえで、自分にとって最良のキャリア選択をしてほしいと思います。
このブログでは、他にも転職・副業・資産形成に関する実体験とノウハウを発信しています。ぜひ他の記事もご覧いただき、あなたの明るい未来を作るきっかけになれば幸いです。
