eMAXIS Slim全世界株式 vs S&P500、どちらを選ぶべきか【2026年版】

資産形成

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「全世界とS&P500、どっちにすればいいですか?」

これ、インデックス投資を始めようとしている人が必ず一度は直面する問いだ。ネットで検索すると「どっちも正解」「好みで選べ」みたいな回答が溢れていて、「だから聞いてるんだよ」と思った人は少なくないはずだ。

自分も4年前、同じ場所で同じように迷った。そのとき両方買ってみて、今も両方持ち続けている。数字を追い続けた経験から、はっきり答えを出せる。


結論(先に言う)

迷っているなら、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)でいい。

理由はシンプルだ。

  1. 全世界株式はS&P500を約63%内包している。米国に集中したいなら全世界でもある程度それは満たされる
  2. 「米国が今後も永遠に1強」という保証はどこにもない。分散しておくことで「自分が間違えた」シナリオへのヘッジになる
  3. どちらを選んでも長期では大差ない可能性が高い。悩む時間を積立継続に使う方が合理的だ

ただし、「米国経済への強い確信がある」「過去実績から少しでも上を狙いたい」という人にはS&P500も十分に合理的な選択だ。一方的なオルカン推しにはするつもりはない。両方のファクトを並べた上で、自分で判断してほしい。


2本のファンド基本情報比較

まず数字を見る。感情より先にファクトだ。

項目eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
設定日2018年10月31日2018年7月3日
運用会社三菱UFJアセットマネジメント三菱UFJアセットマネジメント
信託報酬(税込)約0.05775%約0.09372%
純資産総額4兆円超4兆円超
ベンチマークMSCI ACWI(全世界株指数)S&P500指数
組入銘柄数約3,000銘柄約500銘柄
米国比率約63%100%
新NISA対応つみたて・成長投資枠両方つみたて・成長投資枠両方

※信託報酬・純資産総額は執筆時点の目安。最新情報は三菱UFJアセットマネジメントの公式サイトを確認してほしい。

注目すべき点は2つある。

信託報酬は全世界の方が安い。S&P500の方が運用コストが高い。意外に思う人もいるかもしれないが、事実だ。長期投資においてコストの差は複利で積み重なる。1,000万円を30年保有した場合、0.04%の差でも最終的に数十万円単位の差になりうる。

純資産総額は両方4兆円超。どちらも資金が集まっている大型ファンドで、繰上償還リスクはほぼない。この点では甲乙つけがたい。


パフォーマンス比較(過去実績)

過去のリターンを見る。ただし、過去の実績は将来の運用成果を保証するものではない。この注記を先に書いておく。

期間eMAXIS Slim 全世界eMAXIS Slim S&P500
過去1年(年率)約+12〜15%前後約+15〜18%前後
過去3年(年率)約+17〜20%前後約+20〜23%前後
過去5年(年率)約+18〜21%前後約+21〜24%前後

※上記は設定来の傾向であり、為替・相場環境によって大きく変動する。正確な数値は各社目論見書や運用レポートで確認を。

数字が示す通り、過去5〜10年のリターンはS&P500が全世界をやや上回る傾向にある。これは2010年代以降の米国株の圧倒的なパフォーマンスが背景にある。GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)が世界の時価総額ランキングを席巻した時代の産物だ。

問題は「この状況が今後も続くかどうか」だ。

2000年代を振り返ると、新興国(BRICS)が注目されていた時期がある。1990年代は日本が世界の時価総額トップを独占していた時期があった。「今1強のものが10年後も1強」という保証は、歴史的に見て薄い。

自分はこの不確実性を重く見ている。


eMAXIS Slim 全世界株式のメリット・デメリット

メリット

  • 地理的分散が効く。米国・欧州・新興国など約50カ国に投資できる
  • 信託報酬が低い(約0.05775%)。長期コストで有利
  • 米国が失速したときのリスクヘッジになる。どの国が覇権を握っても追随できる構造
  • 精神的に楽。「米国が暴落した」ニュースを見ても「他の国が補うかもしれない」と思えるため、狼狽売りしにくい

デメリット

  • 過去10年のリターンはS&P500より低かった。パフォーマンスで選ぶなら不利
  • 組入国数が多い分、低成長国も含まれる。新興国の比率(約10〜15%)が足を引っ張る局面もある
  • S&P500と比べてシンプルさに欠ける。「全世界って具体的にどこ?」と説明しにくい

eMAXIS Slim S&P500のメリット・デメリット

メリット

  • 過去のリターン実績が高い。2010年代以降の米国株の強さをダイレクトに享受できた
  • 投資先が明確。「米国の大型優良企業500社」というシンプルな定義
  • 世界最大の経済圏に集中投資できる。ドルの基軸通貨としての強さ、米国企業のグローバル展開など、米国は依然として強い
  • 信者が多く情報が豊富。ブログやSNSで参考事例が見つけやすい

デメリット

  • 信託報酬がやや高い(約0.09372%)。長期では差が広がる
  • 米国集中リスク。もし米国株が長期低迷した場合、逃げ場がない
  • 為替リスクの集中。米ドル建て資産100%のため、円高局面で大きく目減りする

自分の選択:なぜ「全世界70%・S&P500 30%」なのか

自分のインデックスファンドのポートフォリオはこうなっている。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー): 70%
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500): 30%

詳細はポートフォリオ公開の記事に書いているが、この比率にした理由を話す。

出発点は「自分は米国が永続的に強いと断言できるほど賢くない」という認識だ。理系なので確率論的に考えると、「米国が今後30年も世界トップであり続ける」シナリオが唯一の正解とは思えない。自分にはわからないし、誰にもわからない。

だから全世界を軸にした。分散することで「自分の読みが外れた」シナリオをヘッジできる。

一方でS&P500を30%残したのは、「過去実績が高い選択肢を完全に捨てる必要もない」という判断だ。米国企業のイノベーション力、ドルの基軸通貨としての地位は、短期的にはまだ強い。その恩恵を受けるバランサーとしてS&P500を持っている。

もう一つ、これが意外と大事なのだが、精神的な安定感だ。全世界を持っていると、「米国が暴落しても世界全体は持ちこたえているかもしれない」と思えて、相場の荒れた日に画面を閉じやすい。脳筋ソリューション的に言うと、「考えずに持ち続けられる構成にする」が最重要であり、全世界はそれに向いている。

月70万円の積立実績についてはインデックスファンド月70万円積立の実績で毎月更新している。


こんな人はS&P500、こんな人は全世界

迷っている人向けに整理する。

S&P500が向いている人

  • 米国経済・米国企業の成長力に強い確信がある
  • 過去の実績を重視し、少しでもリターンを追いたい
  • 「どこに投資しているか」を明確にしたい
  • 投資先の説明のシンプルさを重視する

全世界(オール・カントリー)が向いている人

  • 「米国1強がずっと続く」とは思えない、断言できない
  • 地理的分散でリスクを抑えたい
  • 長期保有時のコスト(信託報酬)を重視する
  • 暴落時に「世界全体への投資だから」と開き直れる精神的なバッファが欲しい
  • とにかく迷っている

迷っているなら全世界でいい。 理由は繰り返しになるが、「全世界はS&P500を63%含んでいる」からだ。全世界を持てばある程度米国の恩恵も受けられる。完全に乗り遅れることはない。

なお、証券口座の選び方については新NISAにおすすめの証券会社3選でまとめている。口座を持っていない人はまずここから読んでほしい。

投資戦略の全体像は新NISAで月70万円積立の投資戦略のピラー記事で解説している。


まとめ

項目eMAXIS Slim 全世界eMAXIS Slim S&P500
信託報酬約0.05775%(安い)約0.09372%(やや高い)
分散度高い(約50カ国・3,000銘柄)低い(米国100%・500銘柄)
過去リターンやや低めやや高め
米国比率約63%100%
おすすめシーン迷っている人・分散重視米国への確信がある人

どちらを選んでも、毎月積み立て続けることが最も重要だ。「どっちにするか」を悩む時間より、「今月も入金する」という行動の方が将来の資産に直結する。

自分は全世界70%・S&P500 30%で今日も積み立てている。特別なことは何もしていない。愚直に続けるだけだ。


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投資リスクに関する注記

本記事に記載された投資信託の情報(信託報酬・純資産総額・過去のリターン)は執筆時点のものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資信託は元本が保証されておらず、基準価額の下落により損失が生じる可能性があります。投資に際しては、目論見書・運用報告書を必ずご確認の上、ご自身の判断と責任において行ってください。本記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。

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