20代後半で初めての転職を成功させる準備と注意点 ~給与アップ・キャリアアップを実現するためにやるべきこと~

転職

20代後半になり、勤続年数も5年と長くなってくると「今の会社にこのまま居続けていいのか」「キャリアの方向性を変えるべきか」と悩む人は少なくありません。特に「給与がなかなか上がらない」「仕事にやりがいを感じられない」といった不安は、転職を考えるきっかけになりやすいものです。

私は今30歳。これまでに2回の転職を経験していますが、初めての転職は27歳の時でした。当時は手探りの中での転職活動で、不安を抱えながらのスタートでしたが、結果的に年収を大幅に上げ、成長できる職場に移ることができました。

本記事では、20代で初めて転職を成功させるための準備と注意点を、私自身の体験談を交えて解説していきます。

20代後半で転職を考えるきっかけ

「20代 後半 転職」と検索すると分かるように、多くの人が20代後半にキャリアチェンジを検討しています。理由はさまざまですが、大きく分けると以下のようなものがあります。

  • 給与への不満:同年代と比べて収入が低い、昇給が見込めない
  • 仕事内容への不満:やりがいがなく成長を感じられない
  • 会社の将来性への不安:業界が縮小傾向にある、経営方針に共感できない

私が転職を考えた理由も、まさにこれらに当てはまっていました。

24歳で新卒入社した会社に勤めて3年ほどでしたが、この先を考えた時には給与がなかなか上がらず、このままでは結婚や子育てなどを考えたときに将来の生活が厳しいのではと感じていました。さらに、会社の事業内容や日々の業務に対してモチベーションを持てなくなり、「このままでは自分のキャリアが停滞してしまう」と漠然とした危機感を抱いたのが転職を考えたきっかけでした。

20代の転職の理由の多くは「現状に満足できず、将来に漠然とした不安がある」という共通点があります。長期にわたり停滞していた日本経済、それに起因するように維持ができなくなった終身雇用。たとえ大企業に入ることができても、20代の若手社員は将来への不満・不安が絶えないのです。

その不満が一時的なものなのか、それとも構造的な問題なのかを冷静に整理することが、転職を決断する第一歩になります。

20代転職のタイミングはいつが良いのか

20代での転職はいつがベストなタイミングなのか、多くの人が悩むテーマです。

一般的には20代前半は大学などを卒業したてで業務経験も少ないため、将来的な伸び代をメインとしたポテンシャル採用、社会人歴も5年以上と経験を積んできた20代後半は即戦力採用とされます。同じ20代でも、後半になるほど、それまでの仕事での成果やスキルが求められます。

社会人3年目は20代転職で一つの目安

私の場合、27歳で初めての転職をしました。最初の会社に入って3年目の時でした。振り返ってみると3年目での転職は一つの良いタイミングだと感じています。

社会人になりたてだと、1年目は仕事に慣れることで精一杯、2年目からようやく自分のやり方を模索しながら仕事ができるようになり、徐々に会社のなかでも大きな仕事を任されるようになります。3年目になれば任された仕事での成果も出てくる頃です。

仕事での業績が増えてくる一方で、20代ではポテンシャルでの評価も重視されます。

つまり、うまく3年目までに一定以上の業績を出すことができれば、「これまでの実績」+「今後の成長伸び代」を評価してもらえ、より良い待遇での転職も狙える。それが20代、とくに社会人3年目ごろの転職なのです。

転職活動前の準備で大切なこと

20代後半での転職を成功させるには、事前準備がカギを握ります。私が実際に行った準備の中で効果的だったのは、次の3つです。

  • 自己分析を徹底する
  • 業界調査を行う
  • 転職エージェントや転職サイトを活用する

転職前に自己分析を徹底する

転職活動を成功させるためには、まず自己分析を徹底することが欠かせません。特に20代後半の転職では、ただ「今の職場が嫌だから」という理由だけで動くのではなく、「なぜ転職したいのか」「転職によって何を得たいのか」を整理することが重要です。こういう転職をしたいという軸がないと、転職しても同じような悩みを抱えることにもなりますし、転職して短い時間でさらに転職といったことにもなりかねません。

自己分析を丁寧に行うことで、応募先企業とのマッチ度が高まり、面接でも説得力のある回答ができます。

自己分析の観点

  • 自分が転職を考える理由は何か
    例:今の職場よりより良い給与を得たい。より自分のスキルを伸ばせる職場にいたい
  • 転職で実現したいキャリアや働き方は何か
    例:今はエンジニアのポジションだが、チームの開発をリードできる人材になりたい
  • これまでの経験やスキルをどう活かせるか
    例:フロントエンドの開発経験があるので、それを活かしたい
  • 興味を持てる業界・職種はどこか
    例:SaaS系業界、製造業、医療系
  • 収入・労働環境などの条件面で重視したいことは何か
    例:年収600万円、残業はあっても良いがフレックス、週に3回程度はリモートワーク

業界調査を行う

転職活動では、自己分析と並んで業界調査も欠かせません。

20代での転職はポテンシャルでの採用も考えられるため、多少の経験値のなさに目を瞑ってもらえる可能性があります。今まで働いていた業界を抜け、全く新しい業界に挑戦できるラストチャンスとも言えるのです。ここでどのような業界を選ぶかによって、今後のキャリアの方向性が大きく変わるため、興味のある業界の成長性や安定性、働き方の特徴を調べておくことが重要です。業界を広く比較することで、自分の強みを活かせる分野や、長期的にモチベーションを持てる仕事を見極められます。

業界調査の観点

  • 業界の成長性や将来性があるか、今後10年、20年わたっても需要のある業界か
  • 自分のスキルや経験が活かせる業界か、スキルの希少性はどうか
  • 業界の平均年収や労働環境はどうか
  • 企業規模や働き方、少人数で個人の裁量を大きく取りたいのか、大規模組織でチームワークを重視したいか
  • その業界でキャリアアップできる可能性があるか、自分の理想とするキャリアを実現できるか

転職エージェント・転職サイトを活用する

転職活動では、転職エージェントを上手に活用することも成功の鍵です。20代後半で初めての転職の場合、自分の経験や希望を客観的に整理するのが難しいこともあります。エージェントを活用することで、非公開求人の紹介や応募書類の添削、面接対策までサポートしてもらえます。

自己PRのブラッシュアップに役立つため、転職を成功させる大きな助けになります。

また、転職サイトに登録することで、自分一人では収集が難しいような求人情報を得ることができます。

転職エージェント活用のポイント

  • 自分の強みや希望条件を明確に伝える
  • 非公開求人を活用して選択肢を広げる
  • 履歴書・職務経歴書の添削を依頼する
  • 面接対策や模擬面接で実践力を上げる
  • 市場価値や年収相場の情報を得る

転職活動中のリアルな体験談

ここでは私の初めての転職について実体験をご紹介します。

私の転職活動は、これまでお話ししたような自己分析から始まりました。

私が転職で実現したかったこと、転職に求めていたことを超シンプルに書くと

  • 転職で給与を上げたい。30歳までに年収1000万円を超えたい
  • より社会へのインパクトのある仕事につきたい

この2点でした。

自己分析が終わった後は、転職サイトに登録し、転職エージェントとも繋がりながらさまざまな業界について求人情報を収集しました。私が転職をしようとしたのは2021年〜2022年ごろでした。ちょうど製造業にもソフトウェア化の波が到来していて、例えば自動車やロボットといった業界でソフトウェアエンジニアのポジションが急増しているタイミングでした。

それまでは自動車業界やロボット業界ではソフトウェアエンジニアが多くいない状況であったため、年収も比較的高水準であることもエージェントから入手。これらの業界企業に絞って求人情報を絞り込んでいきました。

最終的には、業界大手のT社やD社、K社など含む5社へ応募することにしました。

2社は書類選考で不採用、1社は一次面接で落ちましたが、最終的に3社から内定を得ることができました。

面接でよく聞かれた質問は以下でした。

  • 技術的なスキルや実績
  • 自分の強みと弱み
  • チームでの働き方や対人スキル

答える際には「具体的にどんな成果を出したか」を意識しました。たとえば「業務を効率化した」と言うだけでなく、「その結果、残業時間を月10時間削減した」といった具体的な数値を示すと効果的です。また、面接では一つの経験に対してどんどん深ぼった質問がされるので、自分の経験を正直に話すようにしましょう。嘘をついたり多少大袈裟に伝えていると、鋭い面接官には見破られてしまいます。

複数社から内定をもらったときは、自分が転職で実現したいことは何か?をもう一度よく考えて、オファー内容と比べながら比較して検討しましょう。

私の場合は希望年収を満たしているか、仕事内容にやりがいを感じられるか、自分が成長できる環境か、を基準にしました。幸い、応募の段階から最も興味を持っていた企業からオファーを獲得できたため、無事そこへ転職することを決意したのです。

もちろん、最終的に得られた内定先で条件に合わない場合であれば転職自体をやめるのも賢い選択です。無理に転職をしてしまって合わない環境に身を置くより、ある程度実績があり成果が出ている現職に残る方が賢い選択である場合もあります。

転職後に得られたことと反省点

転職の結果、私は年収を580万円から890万円へと大きく伸ばすことができました。経済的な面だけでなく、新しい業界で働くことでスキルの幅も広がり、成長を実感することができました。あの時転職をして本当に良かったと感じています。

一方で、反省点もあります。会社の内部事情を知ることと、現職での仕事をしっかりやり切ることの二つです。

転職先の内部事情は重要

入社前には見えなかった会社の内部事情が、想像以上に厳しい状況だったのです。確かに自分がやりたい仕事であり、待遇面でも全く文句はなかったのですが、社内の部署間での対立がそこらじゅうで起きていたり、チーム全体のモチベーションが想像しているよりも低かったりと、求人情報やエージェントの情報からはわからないこともありました。

例えば、その企業で働いている人にLinkedInのようなSNSなどでコンタクトをとり社内事情を聞いてみる、口コミサイトを巡回して内情を調べてみる、情報収集も必要だったなと、振り返ってみて思います。

20代で転職を考えている方には、エージェントからの情報だけでなく、口コミサイトや知人ネットワークを活用して内部事情をできるだけ集めることをおすすめします。

転職したい職場でも仕事はやり切ること

転職したいと思っているということは、今の会社に何らかの不満があるということです。

そういった状態で仕事にモチベーション高く取り組むことは非常に難しいのですが、かといって手を抜いてしまうと転職の成功にも繋がりません。

20代の転職ではポテンシャルに加えて、仕事の実績が求められる年次になります。現職でモチベが低く仕事に打ち込めていないあなたが、いったいどのような実績をアピールできるでしょうか。

仕事で手をぬく→アピールできる実績が積めない→転職で良い企業に移れない→モチベが下がり手をぬく、、、といった負のループにハマってしまうのです。

辞めたいと思っている会社で頑張ることは本当に大変だと思います。しかし、そこから抜け出すためにも今あなたができることに全力で取り組む必要があるのです。

20代で転職を考えている人へのアドバイス

最後に、これから20代で転職を考えている方へのアドバイスをまとめます。

  • 20代の転職は入社3年目がおすすめ
    今後のポテンシャル評価も実績評価バランスが良いタイミング。より良い待遇での内定獲得チャンスも高いため、入社3年後のタイミングがおすすめ 
  • 自己分析や業界分析を徹底する
     スキルや経験があっても、面接でうまく伝えられなければ評価されません。想定問答を繰り返し練習しておきましょう。
  • 日々の仕事は手を抜かず実績を作っておく
     どんなに小さな業務でもモチベーション高く取り組み、自分の実績を積み重ねましょう。その成果が転職時に強力なアピール材料になります。

まとめ

20代後半で転職を考えるのは決して珍しいことではありません。むしろ、一定の経験を積んだうえで新しい環境に挑戦するのは、大きなキャリアアップのチャンスです。

私自身も27歳で転職を経験し、自己分析で転職したい理由を整理し、転職活動を進めることで、年収アップと成長環境を得ることができました。

これから転職を考える方は、準備を怠らず、自分の気持ちに正直になって行動してみてください。この記事が、あなたのキャリアの一歩を後押しできれば幸いです。

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