はじめに:「年収2000万円=贅沢三昧」ではありません
「年収2000万円」と聞くと、多くの方は「さぞかし贅沢な暮らしをしているんだろう」と想像されるかもしれません。高級外車に乗り、都心のタワーマンションに住み、毎晩のように外食や高級レストランに通う――そんな生活をイメージされる方もいらっしゃるでしょう。
しかし実際には、東京で暮らす30代夫婦の年収2000万円生活は、決して派手なものではありません。
むしろ、大きな金額が毎月入ってくるため、意識して節制し、将来に備えた資産形成を優先する生活を送っています。今でこそ年収は2000万円となりましたが、過去は年収が600万円以下だったりする時期もありました。その頃と比べても、なるべく生活水準が上がらないように気をつけて生活をしています。
この記事では、私自身の収入・支出の過去を含めた実例をもとに、東京で年収2000万円を得ながらも「生活コストに対してどのように戦略的に資産形成を行っているか」をご紹介します。
特に、30代で家庭を持つことを考えている方や、年収1000万円前後の方にとって、今後のライフプランを考える上で参考になるはずです。
家計のリアル:東京で暮らす夫婦2人の毎月の支出
現在、私は30歳で会社員として年収約1300万円、副業による収入が約700万円あり、合計で年収2000万円ほどになります。都内で共働きの妻と暮らしています。子どもはいませんが、ここ2〜3年のうちに授かれればと考えています。
住宅費が日々の大きな負担に
つい最近まで賃貸住宅に住んでおり、そのときの家賃は月20万円でした。しかし、都心に中古マンションを購入したことで、毎月の住宅費は大きく変わりました。現在の住宅関連の支出は以下の通りです。
- 住宅ローン+修繕積立金:約32万円
- 固定資産税(年額約15万円/月換算:約1.2万円)
住宅ローンの支払いは私が月20万円、妻が10万円を分担しています。購入したことで住居の質は向上しましたが、支出のインパクトも無視できません。
毎月の生活費の内訳
続いて、毎月の生活費をざっくりとご紹介します。
費目 | 金額 | 補足 |
---|---|---|
食費 | 約6万円 | 2人分。週に3回ほど外食あり |
光熱費 | 約2万円 | 電気・ガス・水道 |
通信費 | 約2万円 | 携帯2台とインターネット |
保険料 | 約2000円 | 住宅の火災保険・地震保険のみ |
交際費 | 約1万円 | 飲み会や外食など |
趣味・娯楽 | 約5万円 | 書籍、サブスク、インドア趣味など |
これらを合計すると、住宅費を除く生活費は15〜16万円程度になります。無理をしているわけではなく、自炊を心がけ、保険やサブスクも必要最低限にとどめている結果です。
年収1000万円時代との比較:余裕はどこに?
私が年収1000万円台だった頃も、実は生活費自体はあまり変わっていませんでした。当時は一人暮らしで、賃貸の家賃も今より安く、生活に困ることはありませんでした。
具体的な金額のお話をすると、当時は1Kの小さなアパートに住んでいて家賃が月7万円ほど、生活費が月8万円ほどで合計15万円ほどの出費で生活をしていました。
住宅費以外の生活費は今の半分程度になっていることがわかりますが、やはり過去と現在で住宅以外で大きく生活水準を上げているわけではないことがわかります。
ただし、「将来への備え」という視点では、明らかに不十分だったと感じています。
積立額が大きく変わった
働き始めた頃は貯金などが全くない状態だったので、まずは現金を貯めることにしていました。半年ほどで100万円ほど貯まったので、そこから徐々に積立投資を始めることにしました。
転職や副業を経て年収1000万円に達成した頃は、月々の手取りが大体60万円程度になっていました(ボーナス分を月ごとに分配した額になります)。
その頃の生活費は月当たり15〜16万円程度だったので、毎月45万円程度は手元に残ります。
リスク資産へ投資することに慣れていなかったので、余ったお金の1/3である毎月15万円ほどをインデックス投資に積み立てていました。
しかし、現在は年収が倍になったことと、現金の貯金が一定額を超えたこと、自身のリスク耐性が増えたことで、積立額も大きく増やせるようになりました。
- 現在の積立額:月70万円
これにより、資産形成のスピードは大きく加速しました。収入が増えても生活レベルを極端に上げなかったからこそ、余剰資金をほぼすべて資産運用に回すことができているのです。
私が収入を増やせたのは転職と副業に戦略的に取り組んだおかげです。ぜひこちらのカテゴリー記事も併せてご覧ください。


年収1000万円では“家族を持つ”のは難しいと感じた
年収1000万円は、都内で一人暮らしをするには十分な金額です。毎月50万円ほどが手に入ります。
しかし、結婚や出産、住宅購入を考え始めると、「足りない」と感じる場面が出てきました。
特に問題なのは住居費です。子どもを育てることを考えると、広さや立地にこだわる必要があり、賃貸でも購入でも費用は跳ね上がります。
子供を二人育てたい場合だと、4LDK、少なくとも3LDKの住宅が欲しくなります。
一般的には、年収の5〜7倍程度の住宅ローンであれば無理なく返済が可能とされています。年収1000万円だと5000万円〜7000万円程度が目安です。
23区で4LDKの物件を調べてみると、条件によりますが6000万円当たりが最低ラインです。築浅であったり、駅からの距離などにこだわり始めると8000万円後半〜1億円の物件は当たり前です。
東京の住宅事情を調べた時、年収と借入れ可能なローン額の関係を調べた時、年収1000万円ほどでは都内でこのままでは家庭を持つのは厳しいと感じたのが、資産形成や副業に本腰を入れ始めた大きなきっかけでした。
資産戦略:30代で3000万円を築くまでにやったこと
現在の資産内訳は以下の通りです。
資産の種類 | 金額 |
---|---|
現金 | 約450万円 |
インデックスファンド | 約2400万円 |
純金 | 約150万円 |
個別株・暗号資産 | 約100万円 |
合計 | 約3000万円 |
ただし、住宅ローンがあるため、厳密に言えば純資産はマイナスです。とはいえ、この先数年〜十数年を見据え、引き続き積立を継続していく予定です。
インデックス投資を主軸に
投資スタイルとしては、長期・分散・積立を基本としたインデックス投資に重点を置いています。
- 積立先はSBI証券・楽天証券を併用
- メイン商品はS&P500や全世界株式系の投資信託
- 新NISA制度をフルで活用し、節税メリットを最大限享受
個別株や暗号資産にも一時期チャレンジしましたが、現在は積極的に運用していません。情報収集や銘柄選定の手間を考えると、今の私にはインデックス投資が自分にとって最も効率的な選択だと感じています。
今では毎月70万円ほどをインデックスファンドへ積立投資していますが、過去は月5万円ほどの積立額だったこともありました。
ですが、毎月コツコツ積み上げていくことで、今では3000万円の資産を保有することができています。
高収入でも生活レベルは上げない工夫を
「年収が上がったら生活を豊かにしたい」と考える方は多いと思いますし、それ自体は悪いことではありません。それをモチベーションにして頑張ることで、収入を上げることも可能でしょう。
しかし、収入が上がると、それに比例して気が緩み、無駄な支出が膨らむのが人間の心理です。
私は以下のような点に注意して生活レベルを維持しています。
- コンビニやスタバなどで外食をしすぎない。会社にはお弁当を持参する
- ブランド品を衝動買いしない
- 無駄なサブスクや保険を契約しない
- SNSで自慢するだけの「見栄の消費」を避ける
逆に、自分たちの人生を豊かにするための消費は積極的に行なっています。
- ドラム式洗濯機や食洗機、掃除機ロボットなどの時短家電
- 夫婦の記念日のお祝いに少しいいレストランでの食事
- 休暇を使った旅行
贅沢を否定しているわけではありませんが、「本当に価値があるもの」にだけお金を使うようにしています。物質的な満足度を求める消費ではなく、精神的な満足度を高める消費を意識しています。
これは資産形成だけでなく、日々のストレス管理や生活の質の安定にもつながっています。
まとめ:30代で築く資産は、習慣と戦略で決まる
東京で年収2000万円を得ていても、何も考えずにお金を使っていたら、資産は増えていきません。むしろ、固定費や税金が重くのしかかり、気づけば手元に残らないということも十分にあり得ます。
だからこそ、収入を得ることと同じくらい、「お金をどう使うか」「どう増やすか」を戦略的に考えることが重要です。
私は、生活レベルを必要以上に上げず、投資と節約を習慣化することで、30代にして3000万円の資産を築くことができました。
この記事が、同じように将来の生活に不安を感じている方、特に20〜30代でキャリア形成・資産形成に悩む方のヒントになれば幸いです。