共働き世帯で住宅購入を考えるとき、「どんな立地を選べばよいのか」「住宅ローンはいくらまで借りても安心なのか」といった疑問を抱く方は多いと思います。
私自身も30歳で妻と一緒に都心でマンションを購入しましたが、共働きだからこそ重視すべき条件や考慮すべきリスクがありました。今回は、実際に1億1500万円の住宅ローンをペアローンで組んだ経験をもとに、共働き世帯の物件探しと住宅ローンの目安について私の実体験に基づいて解説します。
共働き世帯が物件に重視した条件とは?
私も妻もフルタイムで働いている共働き世帯です。簡単にスペックを紹介させてください。
- 私30歳、妻29歳の夫婦
- 二人ともフルタイムで働いていて、勤務地はともに都内
- 子どもはまだいないが1〜2年のうちに欲しいと考えている
- 子供が小学校に上がるまでは都内に住み、大きくなったタイミングで引っ越しを検討
そんな私たちが物件を選ぶ際に重視した条件をご紹介します。
勤務地へのアクセスをどう考えるか
共働き夫婦の物件探しで一番重要視したのが勤務地へのアクセスでした。
私たちの場合は、自分の勤務先よりも妻の勤務先へのアクセスを優先し物件を探していました。
理由は、私よりも妻の方が仕事が忙しいこと、妻が将来的に出産や育児と仕事を両立する際、通勤時間が長いと大きな負担になることの2点でした。
私自身はフレックスやリモートワークもでき、多少通勤時間が長くても調整がしやすい働き方でしたが、妻の職場は勤務時間が固定されていたため、最低でも片道30分以内で通える立地を条件にしました。
最終的には妻、私の職場から15分のエリアにある物件を購入しました。
お互いの通勤時間を大きく減らすことができ、毎日の可処分時間を多く摂ることができるようになりました。
6時に職場を出ても6時15分ごろには帰宅できるので、夕飯を作ったり夫婦の時間を多く摂ることができています。
共働きではどちらか一方ではなく、夫婦双方の通勤ストレスをできるだけ軽減できる場所を選ぶことが重要だと実感しました。
スーパーや保育園など生活利便性を重視する
勤務地へのアクセスに加えて、生活圏の利便性も大切な要素でした。
私たちが購入した物件は駅徒歩3分で、徒歩2分くらいの場所にスーパーが、徒歩5分の場所に保育園がある物件を選びました。
仕事を終えてから保育園に子どもを迎えに行き、夕食の買い物をして帰宅する——共働き夫婦にとっては日常の流れをスムーズにできる立地は非常に価値があります。
特に子育てを視野に入れる場合、通勤と同じくらい生活動線の短さが家事や育児の負担を軽減します。住まいの立地を考える際には、将来のライフステージを見据え、周辺の生活環境を重視することをおすすめします。
家事のしやすさを考えた設備選び
立地だけでなく、物件の設備も共働き家庭には大きな影響があります。
共働きだと家事にかけられる時間が短くなってしまうので、時短家電は大きな味方です。
我が家ではビルドイン食洗機や浴室乾燥機が標準装備されている点を重視しました。実際に使ってみると、調理後の片付けや洗濯物の乾燥といった時間のかかる家事が効率化され、夫婦ともに自由な時間が増えています。
共働き世帯にとって時短家電は、日々のストレスを軽減する重要なアイテムです。確かにその分値段もするのですが、貴重な時間を購入できるという優れた投資でした。
住宅を選ぶ際は立地や広さだけでなく、家事効率を高める設備の有無も確認すると良いでしょう。
共働き世帯における住宅ローンの目安
私たちの条件にあう物件を探すとどうしても1億円を超える価格ものがメインでした。
築古でリノベ済みのような物件では6000万円ほどの価格帯の物件がありましたが、耐震性が不安だったため築10年前後の物件をターゲットにしました。
住宅ローンと年収のバランス
結局私たち夫婦は1億1500万円の住宅ローンを組みました。
一見すると大きな借入額ですが、私の年収が2000万円、妻が1600万円の世帯年収3600万円だったため、返済比率は低めで抑えています。
一般的に住宅ローンの返済は年収の25〜35%以内が目安とされていますが、私たちの場合はそれを下回る額で収めることができています。
ざっくり私の手取りが月100万円、妻の手取りが90万円ほど、住宅ローンの返済額が毎月30万円ほどなので返済比率は15%です。
無理なく返済を続けられる水準であれば、日々の生活費や将来の教育費にも余裕を持てます。住宅ローンを考えるときは、金融機関の借入可能額よりも世帯のライフプランに合った返済比率を優先すべきだと強く感じました。
ペアローンを選んだ理由
私たちはペアローンを利用しました。私が7500万円、妻が4000万円を借り入れる形です。世帯収入的には単独ローンでも借りられましたが、ペアローンにすることでより有利な条件で借入が可能になりました。
また、住宅ローン控除の恩恵を夫婦それぞれが受けられる点も大きなメリットです。ただし、夫婦のどちらかが退職や転職で収入が減ると返済計画に影響が出るため、共働きであることを前提にした慎重な判断が必要です。ペアローンを検討する際は、収入やキャリアプランを含めてシミュレーションしておくことをおすすめします。
変動金利を選択した判断基準
私たち夫婦は住宅ローンを組む際、最終的に変動金利を選びました。理由は単純で、変動金利の方が固定金利よりも圧倒的に低かったからです。
1億円を超える借入額では、わずかな金利差でも毎月の返済額に大きく影響します。短期的に返済額を抑えられる点は、共働き家庭の家計に余裕を生み出す意味で大きなメリットでした。もちろん将来の金利上昇リスクはありますが、世帯年収3600万円と返済比率の低さから十分対応できると判断しました。
また、転勤リスクを踏まえ数年後に売却や賃貸に切り替える可能性もあり、長期固定よりも現状に合った選択だと考えています。
共働き世帯の転勤リスクと出口戦略
かくして自分たちが満足できる物件を購入できたのですが、購入時にはリスクや購入した物件をどのように使っていくかも検討していました。
転勤リスクを考えた物件選び
共働きで住宅を購入するとき、転勤リスクは避けて通れません。我が家の場合、妻に5年後ほどに転勤の可能性があることがわかっています。そうなってしまったらもう一度引っ越しが必要かもしれません。
そのため物件を選ぶ際は将来賃貸に出せる、良い価格で売れる立地を意識しました。
都心の駅近で需要が見込めるエリアを選んだことで、万一のときには賃貸に出してローン返済をカバーできる、または売却のケースでも大きな値下がりがなく売ることを見込んでいます。共働き世帯の物件選びでは住みたい場所だけでなく出口戦略を含めて検討することで、万が一のことがあっても安心につながります。
出口戦略を持つ重要性
住宅ローンは数十年にわたる長期の契約です。その間にいろいろなことが起きるでしょう。例えば
- 転勤によって購入した物件から引っ越しせざるを得ない状況になる
- 妻の妊娠・出産によって世帯年収が減ってしまい、ローンの返済負担が想定よりキツくなってしまう。
こういった様々なリスクがあるので、万が一を考えた出口戦略を持つことが重要です。我が家も「将来住めなくなったら賃貸に出す」「需要が高い時期に売却する」といった複数のシナリオを用意しました。出口戦略を考えておけば、住宅ローンが家計を圧迫するリスクを減らせます。勢いで買ってしまったけど、住宅ローン破産するしかない状況に追い込まれるのは嫌ですよね。
共働き世帯が安心して物件を購入するためには今だけでなく、未来の選択肢を確保することが欠かせません。
まとめ
共働き世帯の住宅購入では、立地や住宅ローンだけでなく、家事や転勤リスクまで含めて総合的に考えることが求められます。
私たちの場合は、妻の勤務地や生活利便性を重視し、変動金利のペアローンを組みました。
家事・生活費の分担も工夫することで、無理のない生活を送れています。
さらに、転勤リスクや出産などのライフイベントを想定した出口戦略を立てておくことで、将来に備えた安心感を持つことができました。
これから住宅購入を考えている共働き世帯の方は、自分たちのライフプランに合わせて立地、ローン、家事分担、出口戦略を考慮した上での物件選びをおすすめします。
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